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月刊未来経営

会社の承継 その6 後継者の修行

後継者の「修行」先として、競合関係にない同業者や大手企業を選ぶことは良くあります。
「成長している会社やその経営者の考え方・姿勢といったものを学べる。」
「先代の会社を客観的に見ることができる。」
「成功事例としてのベンチマーク・目標ができる。」
「将来にわたり有効な人脈・関係が築ける。」
「雇用される側の立場を体で理解できる。」といった点で猛烈に有用だと思います。

ただ問題点もあります。
初めて入った会社の常識は、そのまま一生のモノサシになり、おおむね有効に働きます。しかしそのモノサシは中小企業では正しくないこともよくあることを、先代も後継者も理解しないと噛み合わない意地の張り合いなどということになりかねません。

まず一番の違いは大きさ。
大きいからこそシステムやルールがなければ組織は回りません。ですから大手企業は時間も金もかけてそれらを構築します。大手企業の常識はそれらの上に成り立つものが多いです。逆に中小企業は、全てが人頼り。教育制度も人事制度もルールもいい加減です。もちろんそれで良いわけはないのですが、現実それで回ってもいるのです。
次に競争原理の違いです。
大企業は入社時の競争倍率も高く、入社後も激しい出世競争にさらされます。社員の向上心が高くなるのも当たり前。トップが右を向けと言えば、右を向きます。しかし中小企業の場合、入社時の競争倍率も1以下のことも。となるとトップが「右を向け。」と言っても、「だったら辞めます。」もありなのです。

そこらへんを理解しないと、後継者の方がむしろ「非常識」となってしまい、せっかく修行して帰ってきても浮いた存在になりかねません。

(経営者会報 2008.10月号 亀井英孝氏の記事を参考にしました。)

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