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月刊未来経営

会社の承継 その3 価値観変化に対応する

現在水面下で進んでいる変化は、過去になく激しくかつ質的なもので、特に消費者の「価値観」に関しては、ここ数年、じわじわと進んできた変化が、リーマンショックをきっかけに一気に浮上してきたように思えます。
何十万円もする高級ブランドバッグを持って歩く若い女性を見て、「カッコイイ」とか、「羨ましい」とか、さほど思わなくなり、むしろ今は「何を考えているんだ」と冷ややかに見る消費者が増えているように思えます。
多くの消費者が、ブランドのもつ表面的なものよりも、その製品のもつ本質的な価値を重視するようになり、その本質をキチンと評価し、分相応のコストパフォーマンスの良いものを選べる「賢い消費者」がカッコイイという時代に大きくシフトしているように思えます。

この価値観の変化は、一時的なものではなく、今後どんなに景気が盛り返しても、高級バッグや高級車が今までのように売れるとは思えません。そしてこの変化はファッションや自動車に限られたことでなく、あらゆる製品に波及してくるのではないかと思います。つまり日本のメーカーや開発者が得意とする「高付加価値&高額」つまりハイエンドの商品・製品についても試練を迎えていると言ってよいのではないでしょうか。

今、「マイホームも自動車も要らないから、収入はほどほどで、むしろ時間の余裕が欲しい。」と若者が増えてきています。こういった社員が増えれば、誰もが出世と収入増を望んでいるということを前提で作った人事・報酬制度は機能不全に陥ります。

こういった社会の価値観変化に適合する商品やサービスを提供できない企業は淘汰され、逆にすばやく対応できた企業には一人勝ちが待っているといってよいでしょう。今、会社の承継をするにあたり、先代と同じ商売を同じやり方で続けていくことは、三途の川に向かって舵を切っていることと同じです。こうした環境変化にあった商売のやり方にチャレンジしていくことが真の会社の承継なのです。

(日経ビジネス09.9.7号 p.130 堀場雅夫氏の記事を参考に記述しました。)

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