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月刊未来経営

社長のための経理知識 14 みかけの能率・真の能率

次の2つの事例、どちらの方が、能率が上がったと思いますか。

Aライン:10人で100個/日 ⇒ 10人で120個/日
「社長、このほどAラインの現場ががんばった結果、いままで10人で、日あたり100個しか生産できなかったものが、同じ人数で120個生産できるようになりました。」

Bライン:10人で100個/日 ⇒ 8人で100個/日
「社長、このほどBラインの現場ががんばった結果、いままで10人で、日あたり100個しか生産できなかったものが、同じ数を8人で生産できるようになりました。」

両方とも20%程度の能率アップなのですが、キーは「必要数」にあります。
仮に「必要数」が100個であったとすれば、Aは全く無意味な能率アップということになります。能率アップは常に「必要数」の上に組み立てられないと意味がないのです。そうしないと目的である原価低減につながらず、逆にコストアップにさえなりかねません。

さらに「必要数」そのものも厳格に捉える必要があります。「必要数」=「売れ行き」ですから、企業が増産体制を整えるときは、同時に減算体制への移行も可能なシステムを用意すべきだからです。今必要数が120個の場合、Aの能率アップが正解ですが、必要数がいつ100個、80個と変わるかも知れない局面であったとすれば、本当にそれでよかったかは疑問です。

能率向上には2つのやり方があります。1つは生産量を大きくすることであり、他の1つは作業者の人数を減らすことであります。前者が設備一発で改善するのに対し、後者は全員の組み替えを伴うので、改善の程度としては面倒で、難しいです。しかし、いま経済は円高、株安、原油高、景気減速とキナ臭い局面にあります。「必要数」を厳格に捉えた能率アップをお考えください。

(大野耐一著「トヨタ生産方式」ダイヤモンド社 P107~112をアレンジ)
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