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せっかくの手当が仕事のやる気を失わせる?!

カーネギー・メロン大学である興味深い実験が行われました。パズルを2つのグループに解いてもらうというもので、パズル自体は大変楽しいものでしたが、一方のグループはパズルを1つ解くと1ドルもらえ、もう一方は何ももらえないという条件でした。この実験のポイントは実験と実験の間の休憩時間にありました。その休憩時間に被験者たちが何をして過ごすかということを観察したのです。1ドルを受け取ったグループは休憩時間中雑誌を読んだり話をしていたのに対し、何も報酬をもらわなかったグループは、休憩時間中もパズルを夢中で解いていたのです。
   
なぜこのようなことが起きてしまったのでしょうか。1ドルという報酬をもらったグループは報酬という金銭が目的となり、報酬が出ないのならたとえ楽しいパズルであっても解かない、逆に報酬をもらわなかったグループは金銭的報酬の如何にかかわらず純粋にパズルを楽しんでいたということです。ユダヤの寓話にも同じような話があります。洋服屋に石を投げつける不良たちの行為をどうにか止めさせたいと考えた店主が思いついたのは、石を投げる度に5セントずつ渡すというものでした。最初は喜んでますます石を投げていましたが、そのうちこれっぽちのお金じゃやっていられないと石を投げるのを止めてしまったというのです。石を投げるという動機がお金に変わり、それが仕事と思った瞬間やる気を失ってしまったのです。
   
一般的には、給料や手当を「にんじん」としてぶら下げれば、従業員が仕事をすると思っている経営者は多いと思います。しかし、給料や手当をもって人を統制・管理しようとすればするほど仕事本来の楽しみを失わせ、やる気を損なわせてしまうこともあるのです。従業員からすれば、給料で働かされていると感じ、給料だけが目的であれば、いかに効率よく報酬に見合った仕事だけをするかということになってしまいます。もちろん仕事の成果に対して、それに見合った給料はきちんと払わなければいけません。ただ、決して「にんじん」にしてはいけないのです。

参考:エドワード・L・デジ「人を伸ばす力」

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