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部下をマーケティングする

部下に仕事をさせるために課題を与えたり、厳しく指導をしたり、またはインセンティブを与えたりと、なんとか仕事をしてもらえるように上司はあれこれ工夫をします。しかしながら、部下が素直に言うことを聞いて仕事をしてくれるとは限りません。
 
ドラッカーの言葉に「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである」というのがあります。顧客に対して価格訴求や販売促進ばかりをするのではなく、顧客が望むものを提供し、販売に関する様々な環境を整え、製品が自ずと売れるようにすることがマーケティングの理想だと言っています。これは、上司が部下を管理することについても言い換えることができないでしょうか? 部下が仕事をするようにあれこれ上司が指示するのではなく、部下自らが与えられた仕事の課題に向かって行動するように、上司が部下に対しマーケティングを行えないかということです。
マーケティング活動では顧客が望むものを提供し、市場を創造したり、時には顧客を啓蒙します。それと同じように、上司は部下に適切かつチャレンジしたいと思えるような仕事の課題を設定し、それと同時に動機づけを行います。また、マーケティングにおいて商品を買いやすいよう流通チャネルを整えるように、上司は部下が仕事の課題が達成できるようサポートをし、働きやすい職場環境の提供を行います。これにより、上司が細かく指示管理するのではなく、部下の自主性を尊重した労務管理ができるのではないでしょうか? 部下自らが、考え、仕事をし、成果を上げる仕組みを作るということです。ドラッカーの言葉を引用して言い換えるなら「労務管理の理想は、管理を不要にすることである」とでも言うのでしょう。

確かにこれは理想であり、実際には難しいかもしれません。ただ、できることなら、怒鳴って仕事をさせるよりは、部下自らが進んで仕事をしてもらいたいですし、そういった社員の多い企業の方が生産性は高いということはいうまでもありません。

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