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中小工務店が「ローコスト住宅」に走っても生き残れない

戸建住宅の市場というのは色々な要素を持ち非常に幅広いですが、時代の好・不況に関わらず金額で大まかに分類すると次の三つのグループに分かれます。①坪80万円を超える高額住宅(作品住宅) ②坪45~80万円までの商品住宅 ③45万円以下のローコスト住宅
   
「作品住宅」は施主やデザイナーのこだわりが最大限重視される「一品料理」として作りあげられます。この住宅はいつの時代も必要とされるので、事業規模の成長・拡大せずに少数精鋭メンバーで年数棟を目安にして事業を営んでいくには最適の市場です。

「商品住宅」は住宅に求められる様々な要素を「商品」と言えるレベルまでに完成度を高めていくことが要求されます。この市場は規模も大きく、良質な住宅を適正価格で販売して利益を得ることが可能な市場です。
 
最後に「ローコスト住宅」ですが、この市場の要素は何をおいても価格の安さとなり、市場の大半は物流の合理化等の方法を駆使したローコスト住宅のフランチャイズが占めています。

住宅を建てたい人からすれば、どのような住宅をどの程度の価格帯で建てている会社なのかというイメージは非常に重要です。本格的なフランス料理を食べようと思って、立ち食いソバ屋に入る人はいません。それなりの食事がしたいと思えば、一流シェフがいそうな店を選ぶことでしょう。 つまり、良質な住宅を建てたい人は「ローコスト住宅」の工務店を選びませんし、「ローコスト住宅」を建てたい人も工務店は選ばないのです。

 しかし、実際の市場では中小工務店は「商品住宅」以上の市場で社長自身が満足できる住宅を造りたいと思いつつも、価格で勝負するしかないと考え「ローコスト住宅」市場での体力消耗戦に巻き込まれています。そうなると中小工務店は「ローコスト住宅」市場では勝ち目はありません。また経験上、生き残っている中小工務店はありません。

 大半の中小工務店は事業を安定させて持続的な成長を図るならば、「商品住宅」市場をターゲットとして事業展開し、会社のイメージを明確にする方法が良いと思われます。

(参考文献:なぜこの工務店に熱烈ファンがつくのか? 三上克俊著 )

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