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経営者の年齢

中小企業の経営者年齢分布で最頻値を確認しますと、1995年では47歳であったのに対し、2015年には66歳と20年間で経営者の年齢の山が移動しています。当社においても私が56歳となり、事務所に出入りしている銀行の支店長も、その他大会社の支社長クラスも自分より100%年下になりました。
歳をとることが悪いかと問えば、この20年間経営者は経験を積み重ね、腕を磨いてきたわけで、良いこともたくさんあります。しかし自分の年齢とともに会社が若々しさを失わないようによほど気を付けないといけません。

Googleの米国本社副社長と日本法人の社長を兼任した村上憲郎氏(71歳)がそのインタビューで、もしいま56歳(彼がGoogleにヘッドハントされた年齢)だったらどこの会社の社長になりたいかという答えに対して、彼は「テスラ」と答えました。そこは良いのですが、もしそこの社長になったら何をするかという問いに対して、「会社にとって一番いいのはITがわかっていない50歳以上のおじさんに会社を辞めてもらうことだ。」とバッサリ答えていました。
先日の日経に100年の歴史をもつ「陣屋」という旅館の再生について載っていました。30歳前半の若社長がITによる情報武装をし、またそれに伴う従業員の意識や働き方の改革を経て、倒産寸前の陣屋の再生に成功したというのです。話題になっていたので私も宿泊し、ある仲居さんと話をしたら、数億円あった借金を数年で返したと我がことのように語り、働くのが楽しいと言って、お太鼓に結んだ帯に収めたタブレット端末を自慢げに見せてくれたのが印象的でした。もともとの陣屋のハード部分、人材、信用などがあってこその成功とは思いますが、ITの力がなければ、それも今頃水泡になっていたと思います。アイデアをもった若い人の提案をどう潰さずに育てるかは会社としても自分としても大きな課題と思います。

(文責:飯沼新吾)

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