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月刊未来経営

「専業主婦」という文化

筆者は56歳ですが、母はほぼ専業主婦でしたし、周りも似たような状況でした。
これは高度成長期の遺産です。日本中が欧米をお手本に、追いつき、追い越せで、とにかく欧米を真似る。真似るだけで知恵は二の次。そのためには長時間、馬車馬のように働く人材が欲しい。夜遅くまで働き、帰って、飯、風呂、寝る。また次の日も早起きして朝ご飯を食べ、職場に出かける。自分でご飯を用意する時間も、風呂を沸かす時間も、ワイシャツにアイロンをかける時間もない・・・家のことを全て担ってくれる女性がいることが職場にとっても社会にとってもプラスで、そこで爆発的に広まったのが性分業の仕組みである専業主婦文化でありました。
しかし今はひとつひとつ仕事に知恵を働かせ、イノベーションをおこさねばならない時代です。馬車馬人材は流行りません。またこの20年間で一世帯あたりの平均所得で20%も減少していますから、女性が社会に出てくることは極めて普通のことですし、女性の力を上手に引き出せた会社が伸びていく時代です。なにせこれから日本の労働人口は減る一方なのですから。

ですから「専業主婦」前提の話は崩れつつあります。たとえば学校の家庭訪問とか、平日昼間の宅急便とかは成立しないモデルとなりつつあります。ちょっと考えてもそれはこの時代にむずかしいと思われませんか。
でも翻って自身の会社ではどうでしょう。専業主婦ありきのことをやり続けていませんか。あいかわらず社員を夜遅くまで働かせても男なら仕方がない…のでしょうか。女性のメインの仕事は家事だから管理職とか重要な仕事につけてもしかたがない…のでしょうか。私もミッド昭和の生まれで男尊女卑の時代に育ちましたので、感覚がダメな部分は多々あります。しかし世の中は思った以上のスピードで変化しています。自分も会社も早く変えていかないと、良い人材が集まらない会社になります。女性差別の問題は道徳的な論点ではすまないのです。

(参考文献:働く君に伝えたい「お金」の教養 出口治明著  文責:飯沼新吾)

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