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介護人材の処遇改善

10月15日の臨時閣議における安倍総理の「2019年10月に消費税率を10%へ引き上げる」の発言により、消費税増税が現実味を帯びてきました。

増税となると、昨年12月に閣議決定された「2019年10月から勤続10年以上の介護福祉士に月額8万円相当の処遇改善を行う」とした介護人材の処遇改善策も、消費税増税を財源に考えられているため実現の可能性が高まったと言えるでしょう。

現在、介護給付費分科会において介護人材の処遇改善について定期的な議論が行われています。その資料を見ると現状の介護人材確保の厳しさがわかります。

平成29年の有効求人倍率は全産業で1.5倍なのですが、介護分野は3.5倍にもなっています。1人の求職者を介護事業所3.5社が奪い合うことになります。また長野県の平成30年8月の有効求人倍率は3.09倍ですが東京は6.97倍で、都市部では求人を出しても全く介護人材が見つからないという話もうなずける状況となっています。一方、介護人材の賃金状況は1カ月の平均給与(賞与込)で全産業平均36.6万円に対し介護職員は27.7万円と約9万円の開きがあります。介護人材を確保したいのですが現在の介護報酬では思うように給料を上げられない現状が見て取れます。

このような状況に政府は相当危機感を感じており、「8万円の処遇改善を行う」という大胆な提案となりました。しかし、冷静に考えると勤続10年以上の介護福祉士に限定されているため、介護事業全体で考えるとそれほど大きな処遇改善にはならないのではないかと思います。

今後、何らかの形でもう少し財源が確保され、介護事業も全産業平均と同程度の処遇になるとよいのですが。

【文責:竹内光彦】

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