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知っていますか?「下請110番」

【建設業の下請けについて】

建設業においては、工事全体を取りまとめる元請のもと、1次下請、2次下請け、…、と数次の下請企業から形成される重層下請構造が存在しています。これは、工事内容の高度化等による専門化・分業化や、必要な機器や工法の多様化へ対応するため、ある程度は必然的・合理的な側面があるとされています。
その一方、重層的な施工体制では、施工に関する役割や責任の所在が不明確になること、品質や安全性の低下等、様々な影響や弊害も指摘されています。また、重層下請構造の下では関与する企業が増えるため、財政状態が悪化して資金繰りに行き詰まる企業が階層の上位で発生する可能性も高くなります。さらに、責任の所在が不明確になることで、立場の弱い下請け企業に責任を押し付ける可能性も高くなります。

【下請け構造の改善】

国土交通省や地方自治体はこの重層下請構造を改善し、施工管理や適切な労働関係を維持するため、下請けの階層を制限するなど以前より取組がなされてきています。また長野県では、下請けとの関係を適正なものとするため要綱を作成し、調査や相談を受け入れています。特に実務面では県のHPで紹介されている「下請け110番」が有効に機能する可能性がありますので、相談してみるのも一つの手段です。

【下請け110番とは】

長野県では「建設工事請負・下請苦情相談窓口(下請110番)」を開設し、下請け代金が支払われない・不当に切下げられた・支払の全額を手形決済にされた等、元請・下請間のトラブルに関する相談を受け付けています。令和2年度の相談件数は年間9件、令和3年度の相談件数は11件と経済環境の変化が大きくなるにつれ相談件数も伸びる傾向にあります。当事者間だけでトラブルが解決しない場合にはこのような公的機関に相談することを考えてみてはいかがでしょうか。

<文責:保苅 征秀>

参考:国土交通省「重層下請構造の改善に向けた取組について」

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