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月刊未来経営

食うに困らない

今、日本全体で高度成長期に創業した社長さんが世代交代期を迎えています。ところで会社を継承する人の中には、「家業をやっていれば食うに困らない」からという発想がある人は少なくないと思います。偉そうなことを言っていますが、私の業界でも「税理士をやっていれば食うに困らない」という方も少なからずいます。本当にそうなのでしょうか。

「農家をやっていれば食うに困らない」という発想が昔はあったと思います。しかし確定申告で農業決算書をみると、兼業農家で「食うに困らない」とまで行かなくても、小遣いになるようなサイズで黒字となっている人は極めて少ないです。農業は赤字か、仕方がないので無償で誰かに耕作してもらっているという人がほとんどです。
一方弊社のお客様で、都会からやってきて、無経験でブドウ畑を始め、成功させた農家の方がいらっしゃいます。挑戦し、試行錯誤し、投資をし、農業を事業化しました。植える品種から、売り方まで様々なことを試みます。文献での研究や、販売現場でバイヤーとの交渉など毎年工夫を繰り返し、回りに後継者不在で廃業するブドウ農家があれば借りるなり、買い取るなりして大規模化させています。そして昨年法人化をし、さらなる飛躍を狙っています。同じ農家で、なぜそれほどの違いがあるのかと言えば「農家をやっていれば食うに困らない」という発想との違いであり、現状に甘んじない起業家精神がそれを支えているのだと思います。

「家業をやっていれば食うに困らない」確かに2,3年その通りでしょう。しかし社会は変わります。コロナが終わった後には必ず違う社会が出現します。その考えはどこかで身を亡ぼす危険な毒になると思います。人間の本性として面倒なことが嫌いということがあります。「食うに困らない」はその本性に拍車をかけます。それで終わってしまうのか、それとも家業をさらに発展させるのか、挑戦し、試行錯誤し、工夫し、投資するという起業家精神が必要なのが事業なのだと思います。

(文責:飯沼新吾)

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