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月刊未来経営

労働力不足問題

今年あるいは2年先に何が起こるかを当てるのは難しいですが、逆に10年先どうなっているのかの予測は確実な面があると思っています。その中でも最も確実かつ深刻なのが労働力不足問題です。02年からの20年間で15歳から64歳の労働力人口は1,400万人減少しました。東京都1つ分の働き手がいなくなった(また意欲旺盛な消費者もいなくなった)と言えばそのインパクトの大きさが実感できるでしょう。そして25年には500万人の労働力が不足すると言われていますし、10年後はもっと酷いことになっているでしょう。

現に観光客が松本の街に戻ってきても、タクシーは運転手がいない、ホテルは清掃スタッフが間に合わない、飲食店も似たような状況です。保育所も人手不足で土曜日に子供を預かるのを渋っています。設備屋さんもここ3か月休みをとれていないとか。私たちの業界もご多分にもれず、スタッフ不足で新たな仕事をお断り気味です。これらは一瞬コロナの反動のように見えますが、根っこは人口ピラミッドに穴があいているからなのです。

ただ、政府も静観しているわけではなく、解決策を示しています。それによりますと足りなくなる500万人のうち、300万人を女性、100万人を、高齢者、30万~50万を外国人、そして残りをDXの推進で補う予定です。しかしだから大丈夫というわけにはいかないでしょう。

少し前までは会社が従業員を選ぶ側にいましたが、今は労働者が会社を選ぶ時代になっています。ここのところ非常に労働者が強くなっていることを実感します。たとえば恒常的な長時間労働、頻繁な休日出勤、男だけの管理職、紙だらけの管理などの問題を抱えている会社は周回遅れに入っているかもしれないことを認識し、会社側で積極的に手を打っていかないと、求人に応じる人がいなくなり、必ず行き詰まってしまうでしょう。経営者としてコロナ禍の今から先回りして手を打つべきです。

【文責:飯沼新吾/プロフィールはこちら

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