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流山市という希望

皆さんは千葉県流山市と聞いてどんなことを連想されるでしょうか。
私も含め多くの人は、千葉県の中でのおよその位置もつかんでおらず、何線沿いかも不明、千葉でも、浦安、市川、成田、松戸とかなら何となくわかるけど、要は千葉県の田舎でしょ、という認識だと思います。

ちなみに流山市は千葉県と埼玉県の県境に位置し、つくばエクスプレス線沿いで、海には接しておらず、かつては「千葉のチベット」と呼ばれたところです。ところがつくばエクスプレス開業時(2005年)約15万だった流山市の人口は、2022年には20万6千人。巨大ショッピングセンターや大型マンションが林立し、今や「千葉のニコタマ(ヤングセレブの街として有名な世田谷区二子多摩川)」と呼ばれ、全国の市の中で6年連続人口増加率1位となり脚光を浴びています。いったい何が起こっているのでしょうか。

「母になるなら、流山市」

こんなキャッチフレーズを掲げる流山市は、市長の井崎氏を中心に「共働き子育て世代」に的を絞った手厚い優遇政策を実施し、「保育の楽園」を作りました。一例を挙げます。都心に働きに行く親は、駅前の「送迎保育ステーション」に子供を預けると、そこが市内各所の保育園を回って園児たちの送迎をします。仕事帰りの親は午後6時までに迎えに行き、家路につきます。流山市民は1日100円でこのサービスを受けられ、お迎えが遅れても午後7時までなら100円、午後8時まででも30分500円の追加料金で延長保育してくれます。

「母になってもどうぞガンガン活躍してください」という強いメッセージを感じませんか。これに惹かれて都心でバリバリ活躍する子育て世代の女性とその家族たちが集まり、この時代での人口増加です。
この話は全て「流山がすごい」大西康之著(新潮新書)の受け売りです。大西氏は、あとがきで施策のほとんどはどこの自治体でもできること。要は「やるかやらないか」それだけの話だとまとめています。企業経営に通じるところが多いと思います。興味のある方はぜひ書籍をお読みください。

 

 

【文責:飯沼新吾/プロフィールはこちら

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