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月刊未来経営

AIのない世界

コンピュータの出現は、会計業界で言えば、簿記とソロバンというスキルの値段を大きく下げ、パソコンの出現でその傾向はさらに加速した。ネットの出現は新聞やテレビといった情報独占を消滅させ、その価値を猛烈に下げた。スマホの出現により、昼休みにおいて事務所スタッフの半分以上がスマホを眺めている。彼らの知能は向上していくのか、それとも逆に向かっていくのか。
しかし現在、パソコン、ネット、スマホのない社会は想定できない。これらの発明は有害である部分もあるかもしれないが、有益の部分の方がはるかに上回っていたから、こうなったのだと私は思う。石器時代には戻れないのだ。

さてここ最近AIが登場して何かと話題になっている。
生成AIは文章も画像も動画も瞬時に、相当レベルのものを作成する。そのために今までクリエイティブな仕事であったはずのライターやデザイナーなどのスキルの値段を猛烈に下げている。それどころかコンピュータが人類を支配するといった小さなころ読んだSFのストーリーが海馬の底の方から這い出てきて、言い知れぬ恐怖のようなものさえ感じる。
果たしてAIは有害なのか、有益なのか。
答えは多分に演繹的な解釈であるが、有害ではあるが、有益の部分の方がはるかに上回っていて、僕らはAIのない世界には戻れないのだと思う。
現に、会計業界で言えば、スキャナで読み込んだ紙の領収書をAIが正確に読み込み、仕訳の相当部分を生成してくれる。たとえそれが手書きであっても相当の確度で読み込む。他の技術も併せて駆使すれば、経理部員の機械的な仕事は、かなりシステムに置換できる。もしも社長の奥さんが経理をやっていたとすれば、奥さんのQOLは爆上がりだ。
これから少子化が進む中、ベテラン経理部員の技の無駄遣いはできない。もうAIのない世界には戻れないのである。

【文責:飯沼新吾/プロフィールはこちら

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