【号外】遺言書の作成方法
前月号では書くべき遺言の紹介をしました。今月号は実際の遺言作成方法を見ていきます。遺言書にはいくつか種類がありますが、代表的なものは下記の2種類です。
公正証書遺言
公正証書遺言は公証役場で公証人が作成する遺言書です。遺言者の意思を確認し、公証人が法律的に適正な形で遺言書を作成します。この方法の最大のメリットは、遺言の内容が法律に則っているため、無効になるリスクが非常に低い点です。費用はかかりますが、確実性を求めるなら公正証書遺言が最適です。
自筆証書遺言
自筆証書遺言は、手書きで作成する遺言書です。費用がかからず手軽に作成できるのがメリットですが、下記の形式要件を満たさない遺言は無効となります。
〇遺言書の全文、作成日付、遺言者氏名を必ず遺言者が自書押印。
〇財産目録は自書でなくパソコンを利用したり、不動産の登記事項証明書や通帳のコピー等を添付が可能。この場合、その財産目録の全てのページに署名押印が必要。
〇書き損じた場合、決まった方法での訂正が必要。
近年、自筆証書遺言は法務局で預かってもらう遺言書保管制度ができたことで安心して利用できるようになりました。保管申請時には上記形式に適合するか遺言書保管官と対面で外形的なチェックが受けられます。保管申請料は3900円のみで、遺言者が亡くなった際には指定した者に通知が届きます。ただし遺言内容自体の確認はなく有効性が保証されるものではありませんので、確実性をとればやはり公正証書遺言となります。
作成方法のそれぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選び、元気なうちに遺言作成を検討してみてください。
【文責:鍵田貴之/プロフィールはこちら】