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ケアプランデータ連携システム普及率7.2%

2023年に導入が始まった「ケアプランデータ連携システム」は、ケアマネジャーや介護事業者が作成・管理する情報を電子化し、効率的にやり取りできる便利な仕組みです。しかし、2025年5月時点の普及率はわずか7.2%と低迷しています。その背景には、「導入の手間」や「ICT操作への不慣れ」「システムのメリットが現場に伝わっていない」などが考えられます。

こうした状況を踏まえ、厚生労働省は今後、「介護情報基盤」との統合を進め、より利便性の高い情報管理体制の構築を目指しています。介護情報基盤とは、全国共通の介護情報プラットフォームで、市町村・介護事業所・医療機関が一体となり、情報を共有・活用できるシステムです。たとえば、要介護認定の結果がいつ出るか分からず保険請求に支障が出ることがあります。もし申請の進捗状況をインターネットで確認できれば、利用者や事業所は先を見通した対応が可能となり、業務効率が大きく向上します。

この新システムは2026年4月から準備が整った市町村で順次導入され、2028年4月までに全市町村で運用される予定です。ただし、現時点で導入準備が間に合わないとする自治体は半数を超えており、予定通りの運用開始となるか不透明さも残ります。

それでも、介護業界にデジタル化の波が確実に押し寄せていることは間違いありません。現場がこの変化を前向きに受け止め、ITリテラシーを高めていくことが、今後の介護サービスの質を左右します。システムの利用が広がれば、現場の声を取り入れた改善も進みより使いやすいシステムとなる事でしょう。限られた人材と資源で高齢化社会を支えるためにも、こうした国の施策を「自分ごと」として捉え、積極的に取り組んでいく姿勢が求められています。

【文責:竹内光彦/プロフィールはこちら

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