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企業に求められる「金融リテラシー向上」の動き

2022年から高校の家庭科で金融教育が正式にスタートしました。これから社会に出てくる若い世代は、投資や資産形成に関する基礎知識を自然と身につけており「金融・投資」が特別なものではなく、生活スキルの一部として位置づけられつつあります。

一方で、すでに社会で働く親世代の金融リテラシーについては、十分とは言えないとの指摘が多くあります。将来の年金への不安、物価上昇、可処分所得の伸び悩みといった要素が重なる中で、家庭単位での金融判断が難しくなっているのが現状です。こうした環境の変化を踏まえると、企業が「社員の金融リテラシー向上」に取り組むことは、福利厚生の一環にとどまらず、従業員の生活安定や定着率向上に直結する重要なテーマとなってきました。

特に近年注目されているのが企業型確定拠出年金(企業型DC)の導入です。企業型DCとは企業が社員のために、老後資産形成を促す制度です。企業型DCの仕組みを通じて、社員が「老後資産を計画的に形成する力」を身につけることができ、企業としても金融教育と制度の両面から社員の将来の資産形成をサポートすることが可能となります。若い世代が当たり前に金融知識を持つ時代において、企業が適切な制度や教育機会を提供できるかどうかが、企業価値にもつながると言えるでしょう。

金融教育は、難しい専門知識を学ばせることが目的ではありません。「働きながら将来に備える力」を身につけてもらい、個々の生活の安定を支えることが狙いです。長期的には生産性の維持、離職防止、キャリア自律といった組織課題にも好影響が見込まれます

変化のスピードが加速する中で、社員が「学び続けながら賢く備える」ことのできる環境が求められています。社員の金融リテラシー向上と制度活用を組み合わせ、安心して働き続けられる環境づくりを進めてみてはいかがでしょうか。

【文責:小倉 洋平/プロフィールはこちら

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