ケアプランデータ連携システム - 経営の前提条件に
「介護と経営8月号」でも普及状況や導入の必要性をご紹介しましたが、今号では国が本格導入を進める「ケアプランデータ連携システム」について、今後の事業運営に直結するポイントを整理します。
厚生労働省は、介護現場の業務効率化と生産性向上を目的として、ケアマネジャーと介護サービス事業所間でケアプラン等をオンライン共有する「ケアプランデータ連携システム」を、全国共通の基盤として位置づけています。2028年度までに全市町村での運用開始を目指し、当面はフリーパスキャンペーン等により導入を加速させる方針です。
本システムの導入は、すでに制度面で避けて通れない位置づけとなりつつあります。
- 本年6月から予定されている介護報酬臨時改定では、訪問・通所サービスにおいて処遇改善加算の新たな取得要件として追加される見込み
- 昨年11月の補正予算で示された介護従事者の「3階建て賃上げ施策」においても、月額5,000円の賃上げには本システムの導入が要件とされている
このように、「ケアプランデータ連携システム」は、単なる業務効率化のための IT ツールではなく、加算取得や賃上げを左右する経営上の前提条件になりつつあります。現在の導入率は昨年 8月末時点で9.8%と低水準ですが、だからこそ早期に対応し運用経験を積むことで、
- 加算対応の確実性を高める
- 賃上げを通じた人材確保・定着を進める
- 現場の業務効率化と連携強化を図る
といった効果を同時に狙うことが可能です。今後の制度動向を踏まえれば、本システムへの対応は「検討事項」ではなく「準備すべき経営課題」として捉える必要があると言えるでしょう。
【文責:髙橋 大輔/プロフィールはこちら】