AI祭りのあと―競争優位のつくりどころ
世の中はAIブームである。
AIの話題がニュースに上らない日はない。今日のNHKニュースではAIと結婚したという外国人女性が「夫」について熱く語っていた。遠い外国の出来事かと思い、試しに調べてみたら「日本でも」「男性でも」相当数存在していた。正直、驚きである。
企業もまた事業のどこに、どこまでAIを投入できるかについて、猛烈な研究と競争を続けている。日々変化する環境をいち早く、確実に捉え、先行者優位を確立し、市場シェアを獲得する-いや少なくとも現在のシェアを奪われないよう守るという構図だ。
AIは飛び道具なので、これまでは決して届かないだろうと思われる射程からでも、容易に届いてしまう。だから「これで安心」という状態は存在しない。なにせAIと結婚するという人も現れる時代なのだから。弊社も零細企業ながら例外ではなく、AI委員会を立ち上げ、社内はさながらAI 祭りのような状況である。
ただし、祭りはいずれ終わる。
問題はその先だ。AI という誰もが飛びつきたく「日向」の領域は、競争相手は無数に存在する完全なレッドオーシャンである。世の中のほとんどの企業がAIを使って、当たり前に仕事を
するようになれば、A社もB社もその点において、大差がないという時代がやってくるであろう。だからAI そのものを売りにしても「持続的な競争優位」の基軸にはなりえない。
狙い目は「日陰」の領域である。人からみれば取るに足らない、あるいは面倒だと思うような、でも実は収益性が高い立ち位置を明確に絞り込み、そこで勝ち筋を見出すことが重
要だ。実際には、本人が意識していないだけで、すでにそうした強みをもっているケースも少なくない。なぜウケるのか――そこを言語化し、強化し、そのための手段としてAI をどう使
うか。当社としても、まさにそこが思案のしどころである。
【文責:飯沼新吾/プロフィールはこちら】