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月刊未来経営

資金を眠らせるか、未来に投じるか

原材料などの物価高騰、人件費の上昇、金利変動。これらはすべて「インフレ」という大きな流れの中で起きている。企業にとって確かに負担であるが、同時に、経営の質と覚悟を問われる局面でもある。

インフレ下では、「現金を厚く持っていること」が必ずしも安全にはつながらない。会社の内部留保も、物価上昇率を下回る運用であれば、実質的な価値は目減りする。必要以上に滞留している資金は、守っているつもりで静かに価値を失っていく。つまり、インフレは“見えないコスト”なのである。

では、どう向き合うのか。
投資による資産運用という選択肢もある。なるほど個人であれば一丁目一番地の選択肢だ。しかし経営においてより本質的なのは、本業でしっかり価格転嫁できる体質を築くことだ。付加価値を高め、生産性を向上させ、適正な利益率を確保できる企業は、インフレ環境下でも持続的に成長が可能だ。
そのためには、資本を活かせる企業が伸びる環境であることも理解し、投じるべき分野には思い切って資金を振り向ける姿勢が求められる。設備投資、DX 投資、人材投資、新商品開発―これらは将来の収益力を高める布石である。
投資が、挑戦となるのか、無謀に終わるのかは、精緻な計画と、検証を伴う意思決定という「経営の質」と、そして最終的には経営者の経験と洞察と「覚悟」によって決まる。だから投資に真剣に向き合うことは、企業と経営者の質そのものを一段引き上げることにもつながる。

30 年に及ぶデフレの時代、「守り」は合理的な経営判断だった。しかし環境は明らかに変わった。いま必要なのは、守るべき基盤を固めながら、成長に向けた資金配分を再設計して欲しい。

【文責:飯沼新吾/プロフィールはこちら

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