2026 年(令和 8 年)度診療報酬改定について
令和8年度の診療報酬改定は、物価高騰と賃上げへの対応を最優先とした内容となっています。特にクリニック経営に影響の大きいポイントを整理しました。
今回の改定では、令和6・7年度に続いた物価高騰への対応として、令和8年6月と令和9年6月の2段階で報酬が引き上げられます。なお、過去分をさかのぼって支給するものではなく、今後の診療報酬に上乗せする形で補填する仕組みです。
主な改定ポイント
① 基本診療料の引き上げ
物価高騰を踏まえ、初診料・再診料が段階的に引き上げられます。
② 物価対応料(新設)
すべての医療機関が算定可能な新たな加算が創設されます。物価上昇分を機動的に補う位置づけです。
③ ベースアップ評価料の拡充
賃上げ支援策として評価料が強化されます。対象は事務職員を含む勤務職員全体へ拡大され、若手の勤務医師等も含まれます。
医療 DX の推進や地域医療体制の強化も盛り込まれていますが、今回の改定は「収益拡大」というより、「人件費や光熱費等のコスト増を補う」性格が強い内容といえます。
経営的に見ると、実質的には“利益を押し上げる改定”ではありません。賃上げやエネルギーコスト上昇が続く中、収入増加分がそのまま利益に残るわけではない点に注意が必要です。制度改定を「一時的な追い風」と見るのではなく、コスト構造を見直す機会として活用することが、安定経営への鍵となるでしょう。
【文責:神代 弘樹/プロフィールはこちら】