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月刊未来経営

改めて「差別化」を考える

経済が一層の成熟に向かう中で、アベノミクスなどによる外部環境の追い風を待っていてもらちが明きません。差別化された価値を生み出す戦略で、自ら機会を作る、これ以外に閉塞感を打破する道はありません。

仮に差別化されていない価値で、競合と勝負すれば値段次第での受注となり、それも今時なので、なじみの競合との勝負ではなく、ネット上の敵と戦わされることもあり、ともすれば機能不全に陥るかもしれないような安値が、客先からこの価格でと提示されるケースすらありえます。
ですから企業は必死に「違い」を作るのです。しかしこのように口で言うのは簡単ですが、実際に打ち手をどこにもとめるか、何に違いを作るかとなると、これがなかなか難しい話です。
戦略の本質は、競合他社との違いをつくることにあります。それと同時に、その「違い」は長期利益をもたらす「良いこと」でなくてはなりません。ここにジレンマがあります。そんなに良いことだったらとっくに誰かが、しかも多くの人が手を付けていても不思議ではなく、そうなると「違い」にはなりません。
仮に他社に先行して、その違いをつくりこむことができたとしても、良いことであればすぐに模倣され、その違いを持続できません。伝統的な模倣障壁は、特許とか、規模の経済とか、ブランドとか、ネットワーク外部性などと言われますが、中小企業では厳しい話ですし、競合他社も必死でその壁を乗り越えてきます。

さて改めてどこに差をつくるか。あるいはどこに差があるのか。
次回、触れさせていただきます。その前に自社の差について改めてお考えください。

(日本経済新聞 2016年5月25日 経済教室 楠木 建氏の記事を参考にしました。)

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