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月刊未来経営

事業の承継は「人」

事業の承継は簡単ではありません。
一番考えなければいけないのは「人」の問題です。厳しい経営環境下で事業を引き継がせることへの躊躇もありましょうが、「人」がしっかりしていれば、どんなに厳しい環境下であっても工夫次第でどうとでもなると思います。ユニクロの柳井社長も山口県の田舎町の洋品店2代目です。決して良い経営環境で承継したとは思えません。

経験も重要ですが、若いセンスと気力に期待しましょう。政策金融公庫のアンケートでも40歳未満で事業承継した場合、その後の業績推移で良くなったが54.5%、一方60歳以上で引き継いだ場合は31.3%です。先述の柳井社長は25歳のときに全権委譲を父親から受けています。やる気次第で経験不足などどうとでもなる良い例と思います。そしてやる気、バイタリティは若い時ほど旺盛です。歳をとればとるほど必要以上にリスクに対して臆病になります。

やる気の後は「覚悟」でしょうか。中小企業の社長は、会社の顔ですから全てにおいて矢面に立たされます。その割にバックがしっかりしていませんから、なんでも自分でこなさなければいけません。承継する方は頭では理解していても、いざ自分がやるとなるとこんなに大変なのかと感じると思います。これにはフォローが必要でしょう。

また「儲かる仕組み」を精緻に作って、それを引き継がせれば万全と考えている社長を見かけますが、いま儲かっている仕組みは、そのままではおそらく長くても3年ぐらいしか持ちません。一番間違えのないと思われる不動産賃貸業でも、今の貸家の標準はオートロック、畳の部屋ナシ、バス・トイレ別、洗濯機は室内、窓はペアガラスです。条件をひとつ外すごとに空室リスクや値下げリスクとの争いになります。一昔前の儲かる仕組みは通用しないのです。儲かる仕組みは後継者に考えさせるべきで、それができないならば結局事業承継はできないのではないでしょうか。

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